美大・芸大志望の高校生が進路選択で直面する、“ある”の経験とは?
どうも、僕です。
最近美大や芸大の大学生に向けて研修を月イチしており、彼らの「アタリマエ」に接することが多くあります。
例えば失敗した材料などを捨てるためにゴミ置き場がやたら充実しているとか。
そこで誰かが捨てた材料を、また別の誰かが使うために持っていくんだそうな。
教えてくれた話では、マネキンを拾って使用後にまた捨てたら、
Twitterで在学生と思われる別の学生が「拾った!」ってつぶやいていたそうです。
学内リサイクルすごい…!笑
さてそんな学生たちの話を聴いていくと、ある一定数の学生が進路選択の際に「似た体験」をしていることが分かりました。
それは「周囲からの支援やアドバイスの欠如」です。
親に相談すると「学費が高い割に就職できるかが心配」と言われ、
先生に相談すると特に進学校だと「それはオススメできない」と言われ、
もっと言うと応援したくても美大・芸大受験の指導の仕方が教育学部を出た先生は分からない場合が多いわけで。
じゃあ周りの友達はというと同じように美大・芸大を目指している人はごく少数。
結果的に「分かってもらえずに寂しい」感覚を持っていたそうです。
もちろん全員がそうではないし、全ての人に応援されなかったかと言われるとそうではなく、ただ普通科の高校に通っていた学生ほどこのような傾向が強いように感じました。
皆一様に、
「あの時、相談できる人や本気でアドバイスをくれる人がほしかった」
と言っていました。
そんな中で高校生の彼らは、一人悶々とオープンキャンパスに行き、
画塾に通い、模索しながら受験の準備をしていたのです。
美大・芸大に行くことが正解かどうかは一旦置いておいて、
実は色んな場所で起こっている課題なのではないかと直感的に思いました。
また美大・芸大以外にも音大でも同じようなことが起きてるのではないかと予想しています。
高校生にとって相談=会話ベースのアウトプットをし、
自分の考えを整理する機会は非常に重要です。
言語化する中で迷い、悩み、自分の選択に納得度を高めていく大切な機会なのです。
もやっとした悩みも受け容れて聴いてもらえる機会、
自分の夢を茶化さず真剣に聴いてもらえる機会、
本気で悩んでるその姿勢自体を承認される機会、
そっと背中を押してくれる機会、
本当に大事なことを問うてくれる機会。
高校生の世代にとって、この社会にはきっとそんな些細で暖かい機会がまだまだ足りていない気がします。
僕が出会った彼らが、まだ見ぬ「後輩」たちの良き「先輩」として、
柔らかなおせっかいを届けてくれたら嬉しいなと思いながら、
また頑張ろうと思った出来事でした。