新卒NPO職員のつぶやき。

学生時代に某塾からの内定を辞退し、教育系NPOに新卒入社。早4年目。日々駆け抜ける中での気づきを綴ります。

先生が悩むSNSと学級経営② 〜140字で理解できることなんて、ちっぽけなわけで〜

どうも、僕です。

前回に引き続き、SNSと学級経営について書こうと思います。

 

【前回の記事はコチラから】

先生が悩むSNSと学級経営① 〜高校生のスマホ所持率は何%?〜 - 新卒NPO職員のつぶやき。

 

 

 

【ここから今回です】

 

SNSによって何が変わったのか?

これは諸説あると思いますが、自分もLINEを使いながら思うのは、
コミュニケーション能力は低下したのではなく、
ツールによってコミュニケーションの仕方が変化したのでは」ということです。

友達との関係性に悩んだ時に直接相手とけんかするのではなく、
Twitterでつぶやいたらちょっとスッキリした。
根本的には何も解決していないけれど、スッキリしたからそれでいいや。

そんなことが起きているのではないかと思うのです。

個人的には「けんか」というプロセスは、
他者理解や自己表現を学習するにあたり重要なプロセスだなあと考えており、
学校という「社会」の中で社会性を磨くことに繋がるのではと勝手ながらに思っています。
グループやチームのいわゆる「混乱期」は、その組織の成熟に関して必要なプロセスだという理論もありますしね。


ただ、特にTwitterやLINEのような短文で言葉を届けるツールにおいて、
主語が省略され代名詞が多くなるなど、言語教育、日本語教育の観点から見ると
また別に気をつけなければいけない部分もあるかと思います。
が、それは今回は割愛で。


求められているのは、生徒も大人も結局は「リテラシー」なのではないか

よく漫画で見る「授業中に手紙を回して悪口を言う」ってのが、
LINEというツールに変わり、より複雑化してるのかもしれません。

はるかぜちゃんはインタビューの中で「ルール作りが必要」と話していますが、概ねこの意見には賛成です。
ただ個人的にもっと必要だと思うのは「リテラシー」です。 


スマホSNSの普及や使用率の上昇が避けられない中で、ルールを作ってもきっとまた新しいツールが出てきます。

だからこそ、そのツールによって、自分や相手のコミュニケーションの何が変化しているのか。
それによって何が便利になり、何を失っているか。

それを自覚することが大事なのではと思います。

そして、それは生徒だけでなく、同時に大人も求められている気がします。


今ちょうど甲子園に出場したある高校のマネージャーがネットで騒ぎの的になっていますが、
中には彼女をスケープゴートに好き勝手言ってる人もいるなというのが印象です。

そしてそれに「いいね」やコメントをしている多くの「気軽な匿名の声」は、
もしかしたら彼女を傷つけるのではと心配でもあるのです。

自身の何気ないクリックが、誰かを傷つける可能性があります。
まずは大人がリテラシーを持つこと、
それを子どもに見せていくことが求められているのでは、と思うのです。


140字じゃ、その人なんて分からない

対面でも相手のことを理解するのは難しいのだから、
短文のテキストで理解し合うのは当然もっと難しいはずです。

ツールはあくまでツール
140字の裏にあるその人の人隣を大事にしたいなと思います。

最後に、Twitterを題材にした朝井リョウ氏の小説「何者」からの一節を紹介して、締めようと思います。

「短く簡潔に自分を表現しなくちゃいけなくなったんだったら、そこに選ばれなかった言葉のほうが、圧倒的に多いわけだろ。(中略)だから、選ばれなかった言葉のほうがきっと、よっぽどその人のことを表しているんだと思う。(中略)たった140字が重なっただけで、ギンジとあいつを一緒に束ねて片付けようとするなよ」